展覧会開催にあたり

今年で１４回目を迎えたアクアートが開催されます。

今年も瀬戸内町嘉鉄集落を中心に開催されます。
昨年、実験的に作品を海中に残し、サンゴを移植する試みを行いました。
今回、このプロジェクトを『未来の玉手箱』と命名し、アクアート作品にサンゴを移植して
玉手箱のように美しいサンゴ礁に育てていくプロジェクトとして活動していきます。

海底で折れた枝サンゴは、そのままでは砂に埋もれて死んでしまいます。そこで折れた枝サンゴを作品に固定し、移植することでサンゴは育つのではないか？という考えです。
1998年に大規模な白化現象、その後のオニヒトデの猛威によって、奄美のサンゴは大きな被害を受けました。
少しずつ回復していますが、サンゴの豊かな奄美大島に戻り、そこに住む魚も増えることを期待しています。

現在は、数点の作品にサンゴを移植し、経過観察を行っています。
作品は、藻やソフトコーラルに覆われ、自然に戻りつつあり、枝サンゴは順調に活き活きと大きく育ち、魚も住み着きはじめました。
今後の目標は、作品の素材や形状によって、サンゴの生育が変化するのか、など調査を行うこと。
あわせて、地域との交流活動を通して、子どもたちに自然を守る大切さやアートの楽しさを伝えていきたいと思います。

また、昨年2010年10月、奄美大島を集中豪雨が襲いました。被害は島の中部を中心に大きく、現在も道路など復興の段階の場所もあります。
しかし、現在の奄美の海は元気いっぱいであります。
これからも変らない素晴らしい奄美の海を内外に広く伝えていきたいと思います。